(雑誌『経済界』2023年9月号 総力特集「人材育成企業2023」より)
サントリーグループは「人」を経営の最も重要な基盤とする「人本主義」を掲げる会社として知られている。人を育てるため、新入社員から経営幹部まで、社員一人一人に数多くのプログラムが用意されている。
そうして育った人材を成長の源泉に、今では全世界にグループ会社270社、社員数4万人を数え、特に2014年に米国のビーム社を買収して以来、グローバル化は一段と加速した。当然、ダイバーシティも進んだが、同時に「やってみなはれ」に代表される価値観をグローバルで浸透させることが急務となった。
そこで新浪剛史社長自ら学長となって15年4月に開校したのが「サントリー大学」だ。
「サントリー大学は、国内外全ての従業員が創業精神や企業理念を胸に刻み、自らの志に基づいて学び続けることを支援する。その一人一人の成長が、サントリーグループ全体の成長に貢献することを目指すもので、世界中の社員が一緒に学んでいる」(新浪社長)。
座学だけでなく、例えば「水と生きる」を学ぶため、水源となる「天然水の森」で実際に水源涵養活動をするなどのプログラムも充実している。このように学んだ社員が各国の職場で、自らが企業理念を実践しながら他の社員に広げていく。
さらには「やってみなはれ」を実践したチームを表彰する「有言実行やってみなはれ大賞」も創設。昨年は世界中から480件以上の応募があったという。
このようにさまざまな機会を通じて、サントリーグループでは世界中で、夢大きく、切磋琢磨しながら、新たな価値の創造に挑戦している。