オンライン・モンスターのミッションは、ユーザーに「最高の体験」を届けること。外資系コンサルティングファームから独立した鈴木氏はデジタル領域の知見を生かし、従来のパイプライン型のビジネスではなく、マルチサイドプラットフォーム型のビジネスに取り組んでいる。文＝垣内栄 写真＝西畑孝則（雑誌『経済界』2022年12月号より）
「直近では顧客が全国どこからでも百貨店のおもてなしを受けることができるオンライン相談サービスをリリースしました。デジタル技術を活用することで医療や学習指導、化粧品業界など幅広い分野においてパーソナライズ化された体験を届けることができるようになります」
このユーザー体験を中心としたサービスには、チャット、ビデオ通話、課金等の機能が備わっており、企業はこれらを組み合わせることで、新規顧客獲得やユーザー満足度の向上につなげられる。今秋には新たに「インタラクティブ・コミュニケーションプラットフォームサービス」をリリース予定だ。
「例えば家電を購入したいと思ったときに、自分の好きなインフルエンサーや専門家のおすすめをすぐに聞けるというサービスです。誰もがプラットフォームを運営でき、サブスク型として情報を提供したり、個別相談を有料で受け付けたりすることができます。ナレッジシェアリングや、ファンサービスの場としても使うことができます」
さらに直感的に食べたいものが見つかり、レシピにたどり着くアプリの開発も行っている。
「料理の写真がどんどん出てきて、それを直感的にスワイプし、セレクトしていく。料理をスワイプすればするほど、ＡＩが個人の趣向を学習し、パーソナライズ化されていきます」
利用者の人生にどのような変化を起こせるか、そしてデジタル技術を駆使することでどのような体験を生み出せるか徹底的に考え抜いてサービスをつくる。
複雑化するテクノロジーに振り回されることなく、デジタルの可能性を追求することは、「最高の体験」のために重要だ。
福島県出身の鈴木氏は、東日本大震災の経験が今につながっているという。
「当時、多くの人々や企業、組織に助けられました。大学生だった私は、福島に対して何もできなかった。その悔しさが原動力です。だからこそ今、行動する。『メーク・ジャパン・グレート・アゲイン』と鼓舞しながらこの国に恩返しをしたいと思っています」
| 会社概要 設 立 2020年8月 資 本 金 500万円 売 上 高 800万円 本 社 東京都中野区 従業員数 1人（パートナー含め4人） 事業内容 マルチサイドプラットフォーム基盤の開発、体験特化型サービスの企画・開発・運営 https://online-monstar.com/ |
