「鬼管理」の塾として注目　伴走者を生む仕組みで顧客と社員の幸せを実現　菅澤孝平　シンゲキ

「鬼管理」というシステムで最短最速の大学合格へ導くサービスが話題のシンゲキ。オンライン講師が受験生に伴走し、大学合格率は83％以上を誇る。勉強が苦手だったが、教師が伴走してくれたことで大学に合格した菅澤孝平社長の経験が起業につながったという。（雑誌『経済界』2024年12月号「総力特集 強い組織の流儀」より）

本格的な勉強に取り組む前、菅澤社長の高校時代の偏差値は32だった。大学受験を前に担任が何をするべきか綿密な計画を立ててくれたことで、合格までの最短距離が明らかになった。これが転機となり、毎日勉強するようになったという。

「伴走者がいる大切さを体験しましたが、教師に恵まれる人ばかりではありません。自分と同じように夢をかなえられる人を増やしたいと思い起業しました」

菅澤氏は大学時代に塾講師や、マーケティングおよび人材系の会社でのインターンを経験した後、学生起業した。個人事業主からスタートし、大学の先輩をＣＨＲＯ（最高人事責任者）に、高校時代の担任をＣＳ部長に迎え、鬼管理専門塾として法人化した。そして同塾の卒業生である現役大学生がＣＯＯを務める。

「鬼管理」では、生徒一人一人に合わせて、毎日、毎週、毎月の勉強を徹底的に管理するため、一般の塾のように「勉強についていけない」状態がない。個別指導のため一般の塾よりも料金は高めだが、その実績が生徒数を増やし続けている。

「講師は挫折経験があってそれを乗り越えた方を歓迎しています。勉強ができない受験生の気持ちに寄り添っていただけると思うので」

現在は大学受験と英検の塾を運営し、さらなる事業拡大をねらう。

「就職に特化したコーチングや転職のためのリスキリングなど『鬼管理伴走』のサービスはいろいろな場面で使えるはずです」

売り上げ目標は20代で１００億円、30代で１千億円とし、規模の成長に伴う積極的な人材採用も行う。

「従業員はアルバイトも含めて１５０人に上りますが、営業、事務、カスタマーサポート、インターンなどまだ足りません。会社の文化、価値観に同調し、いい未来を一緒に創れる方と働けるとうれしいです」

顧客への伴走と従業員への伴走の重視が強い組織づくりにつながると考えている。

「従業員がやりがいを持って働き、豊かな生活を送ることで、会社への帰属意識が高まり、アウトプットも良くなります。それを顧客が享受し、より幸せになるという流れで、社会全体も良くなるはずです」