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経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

使命感と創造性を持った社員の採用・育成を進める―シニアライフクリエイト

2019人材育成企業21正方形バナー

(『経済界』2019年11月号より転載) 

高橋洋氏

シニアライフクリエイト社長 高橋洋(たかはし・ひろし)

 

高齢者専門宅配弁当チェーン「宅配クック123(ワン・ツゥ・スリー)」を全国で展開するシニアライフクリエイト。社会貢献度が高い事業だからこそ、OJTを通じて新入社員にお年寄りと向き合う時間をつくり、業務への使命感を養うよう促している。今後は高齢者支援を軸とした新規事業を計画、社員の創意工夫を引き出すために古い縦割りを排した部門横断型組織への移行を進める構えだ。

 

使命感と創造性を持った社員の採用・育成を進める

 

 シニアライフクリエイトは直営6店、FC(フランチャイズ)346店の計352店舗を全国で展開、おいしくて食べやすい健康に配慮した宅配弁当を高齢者向けに提供している。屋号の「宅配クック123」の「123」には「向こう三軒両隣」という意味を込め、単なる宅配にとどまらないお年寄りへのきめ細かい対応が持ち味だ。
 高橋洋社長は社員に求める資質として、顧客に対する強い使命感と思いやりを挙げている。
 「お年寄りのために役に立ちたいという情熱を持った方に入社していただき、『これはお客さまのためになっているのだろうか』と自問自答しながら日々の業務に取り組んでもらいたいと思っています」
 会社である以上、業績向上は重要だが、顧客に不利益が生じては意味がないと考えている。大事なのは収益偏重主義を排した顧客本位の経営だ。高橋社長はある小売店でハンバーグ弁当がヒットしたと仮定して、毎日同じ弁当を購入する高齢者がいる場合、「何も言わずに販売するのが一般的なのでしょうが、当社では『野菜をもっと摂った方がいいですよ』と一声掛ける姿勢を欠かさないように心掛けています」と説明する。栄養バランスが崩れて孤食になりがちな高齢者の食生活を宅配弁当とコミュニケーションの両面からサポートすることを重視している。

高橋 洋氏

スタッフは高齢者とのコミュニケーションを大切にするように教育している

 そこで同社の研修は座学を通じて、新入社員に高齢者のQOL向上を核とした企業理念や会社の存在意義について入念にレクチャーすることから始める。座学研修後は店舗でOJT研修を通じ、調理や配達といった業務を体験させる。高齢者と直接触れ合うことで、顧客の視点で仕事に取り組む姿勢を育んでいる。
 「新入社員には1カ月から2カ月程度、現場でみっちり研修を受けてもらうことで、営業や商品開発、管理部門に配属された際には机上の空論でない、お年寄りの声に根差した仕事ができるように教育しています。例えば弁当を製造する際、輪切りにして煮崩れを防ぐことが多いのですが、当社ではあえて乱切りにして手作り感を演出するといった心配りをしています。お年寄りの健康寿命を伸ばすためにどんな方法があるのか、社員がそれぞれの立場で知恵を絞っています」

 

本部制導入で迅速な意思決定を促しながら、部門間連携を図る

 

 高橋社長は業務への使命感以外に必要な社員の資質を『ソウゾウ性』と表現している。
 「ソウゾウには創造と想像という2つの意味があります。新規事業の開発に当たって両方のスキルがあると理想的ですね」
 同社は「宅配クック123」の運営や、特別養護老人ホームなどに食材を供給するサービス「特助くん」の提供に加え、高齢者のコミュニティサロン「昭和浪漫倶楽部」の開設を計画している。新たな発想を取り入れるために、かねてから外食チェーンや清掃サービスなど異業種出身者の採用を積極的に進めている。「ルーティンをこなすだけを良しとするのではなく、真っ白な感覚を持って新しいことにチャレンジしたいと考える風土をつくっていきます」と話す高橋社長。コミュニティサロンのFCを開拓する場合、FCオーナーの対象となるのは全国各地のスーパーやカラオケバー、カルチャー教室など多岐にわたる。サロン開設の提案を通じて地場に根付いた店舗オーナーのさまざまな課題を解決するのは、大きなクリエーティビティーが求められる作業だ。
 「サロン事業は地域貢献、町おこしという感覚を持って着手していきます。地元のお店の業績を上げるお手伝いをしながら、高齢者の悩み事も解決するというイメージです。新規事業開発部をはじめ関連部署の手腕が問われるところですが、具体化に向けて手応えを感じています」
 同社では機動的なビジネス展開のために本部制を導入、経営企画本部や営業本部、商品本部、管理本部を開設した。権限移譲による迅速な意思決定を促し、事業部長ポストの新設で昇進機会を増やして社員のモチベーションを高める。「縦の筋肉と同時に横の筋肉も鍛えておく」として、部署間の連携を高める構えだ。
 「他部署と建設的な意見交換ができるような雰囲気を醸成します。当社がお年寄りに対して行っているような良い意味での『お節介』を焼ける関係性が生まれることを望んでいます。横断会議などを通じて徐々に変化を起こしていく考えです」

会社概要
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設立 1999年12月
資本金 2億8,000万円
売上高 101億900万円(2019年2月期) 所在地 東京都港区
従業員数 96人(2019年2月末時点)
事業内容 高齢者専門宅配弁当サービス、高齢者施設を対象にした食材卸など
http://slc-123.co.jp/
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