経営者コミュニティ「経済界倶楽部」

社員と策定した経営理念 を通じて顧客、ユーザー、 自社の三方よしを目指す―ROI

2019人材育成企業21

(『経済界』2019年11月号より転載) 

益子雄児氏

ROI社長 益子雄児(ましこ・ゆうじ)

国内最大級の覆面調査サービスと、従業員満足度調査サービスを手掛けているROI。2年前に同社の社長に就任した益子雄児氏は役員らと策定した経営理念を基に三方よしを追求、顧客企業や利用者の満足度を高めながら、社員のフォローに注力している。

 ROIは覆面調査ポータルサイト「ファンくる」を運営している。モニターとなるユーザーは110万人、掲載店が月間1万店、店舗への提供レポートは月間7万件超に達しており、国内最大級を誇る。

「月間で最大10件程度のレポートを提出し、調査結果をサービス向上に確実に役立てていただいています。同時に誰もが訪れたいと思うお店の掲載を増やし、レポートが一層集まる好循環を生み出しています」

同社は「ファンくる」で培った調査力を生かし、飲食店向け従業員満足度調査サービス「ファンくるES」を今年から開始している。スタッフのMVP投票制度を採り入れてアンケートへの敷居を下げ、高回答率を実現。導入企業はすでに200社に達した。

「実名で現場の声を拾うことができるため、大変好評です。導入企業1千社に向けて手応えを感じています」

益子雄児社長は事業躍進の主な要因として、2017年に役員や幹部と手掛けた経営理念の策定を挙げる。顧客、ユーザー、同社の三方よしを掲げて、収益至上主義ではないサービス展開を追求。さらに幹部候補を対象に理念研修を実施したことで彼らの視座が高まり、理念に基づいて行動を取れるようになった。

「今では『この業務は三方よしにつながるのか』という会話が自然に飛び交います。ユーザーのニーズに合致しないと判断されるものは広告出稿をお断りし、その分皆さまが楽しめるコンテンツづくりに注力しています」

同社では社員フォローにも余念がない。新入社員には全部署の社員とランチを設定し、今年の入社式では新卒メンバーのために親からの手紙を用意するなど、きめ細かな配慮を行っている。「社員が喜んでくれることは何でもやりたい」と話す益子社長。現在では離職率が低下した上に「出戻り社員」が増え、OBと代理店契約を締結するケースも生じている。

「私に大役を任せてくれた先代には非常に感謝しています。私も社員を信じてチャンスを与えることで、お客さまにとってよりよいサービスを実現していきます」

会社概要
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創業 2004年8月
資本金 1億円
所在地 東京都新宿区
従業員数 80人
事業内容 飲食店に特化した覆面調査サービス「ファンくる」の運営、
飲食店向け従業員満足度調査サービス「ファンくるES」の運営
https://www.j-roi.com/
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