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社員の成長を促す育成の力で未来を創る人を創る―アイグッズAD

海外生産フルオーダーオリジナルグッズの企画生産事業を柱とするアイグッズ。創業以来右肩上がりの成長を続け、コロナ禍の影響を受けながら、今期の業績も絶好調。その秘訣を同社の人材育成から垣間見る。

アイグッズ代表取締役 三木章平(みき・しょうへい)

 アパレル・化粧品業界における販売用雑貨や宣伝用のノベルティは街を歩くと店頭で目にすることが多い。しかし、デジタル・IT全盛期にあってマーケットの状況は右肩下がりを余儀なくされている。

 そんな斜陽ともいえる業界で、従来のオリジナルグッズ企業にはない斬新な発想で旋風を巻き起こしているのがアイグッズだ。同社には「海外生産×フルオーダー」主義という他社にはない特長がある。

 生産拠点を海外に限定し、企画デザイン要素が強く他社と差別化しやすいフルオーダー製のアイテムに特化することで(完成品のアイテムをあえて取り扱わないことで)、業界内における差別化に成功し、高い優位性を発揮している。古い業界の中でも、同社は業界の異端児として己の道を進むことで、創業から圧倒的なスピードで成長を成し遂げてきた。

内定者のアイデアを商品化 コロナ禍を乗り切る

 そんなアイグッズが創業5期目を迎える今期は大きなピンチを迎えた。新型コロナ感染症の影響である。イベントの中止が相次ぎ、主要顧客であるラグジュアリーブランドや化粧品、コンサートも販売不振で本来であれば売り上げが大幅にダウンしそうな状況に見舞われた。

 ところが、今期の売り上げ予測は過去最高の25億円だという。コロナ禍という大きな危機を救ったのは、就職内定者のアイデアによる感染症予防グッズであった。

 「今年2月に4月入社予定の内定者とコーヒーブレイクしていたときです。『新型コロナウイルス感染を予防するグッズを販売したらどうでしょう』という提案があったのです」。

 三木章平代表取締役はそう切り出した。2月時点の日本はまだ感染拡大期に入っていない。ニーズはつかみ切れていなかったが、決断は早かった。業界ではいち早く2月に商品をリリース。商品企画力と導入ノウハウを生かし、高品質な商品をスピーディーに提供した。新規顧客も増え、受注は膨大な量となる。しかし、内定者からの提案とは驚きだ。

 「当社は内定者に企業理念や事業内容を理解してもらうために、翌年の採用活動に関わってもらっています。それもサポートではなく、中心的な役割を担ってもらいます」

 不足する知見は先輩社員がサポートすることで補う。自発的に会社を学び、自分の後輩を採用するための採用ツールの企画制作まで行う。「内定者教育の中でインプットだけでなくアウトプットまでできるのは、珍しいと思います」。これにより、内定者は入社前にアイグッズの一員として、発言が認められる存在となるのだ。

採用と育成に対する信念が人と企業を育てる

 同社の採用ポリシーも独特である。内定の条件は「内定を得ることでウキウキとした気持ちになれること」。少しでも迷いがあると結果的に双方とも幸福にはなれないという考え方によるものだが、この採用ポリシーを「人に本気で向き合う会社だ」と共感する志望者は多い。実際に大手企業の内定を得たにもかかわらずアイグッズを選択する学生がほとんどだという。

 そのウキウキとした気持ちになれるかどうかを試される場が「スッポンポンプレゼン」と称する最終選考だ。

 この選考は一人一人が全社員の前で、これまでの自分の人生を振り返り「共感したもの」「アイグッズを選んだ理由」「これからどんな人生を歩みたいか」などを発表する。それを聞いて涙する社員も多いそうだ。そしてスタンディングオベーションが起こる。

 「全社員が拍手で迎えて内定が決まる。スッポンポンプレゼンは学生が自分の選んだ道を正解にしていく決意と、会社側が全力でその学生を受け入れる土俵づくり、その双方の覚悟を生むための場です」。

 三木氏には採用・育成の信念がある。「当社は新卒採用を大切にしています。転職が当たり前の現代は、企業も求職者も短期的なメリットしか追求していません。しかし私はその流れに背を向けます。人と組織が共に成長する中で生まれる価値と未来を大切にしたいのです」

 そんな同社では中途採用も一筋縄ではいかない。なんと同業他社からの転職はお断りだという。それは社内の育成に絶対的な自信を持っているから。自社よりも劣る育成を経験してきた中途採用者はミスマッチになるという理由からだ。

 「以前、『同業他社出身者お断り』を条件に求人を出そうと営業担当者と打ち合わせをしました。しかし、実際出来てきた広告には『同業他社出身者歓迎』の文字。慌ててクレームを入れると、担当者が間違いだと思い勝手に直してしまったそうです。それくらい即戦力を求める風潮がある。いかに当社が異色で、社内の育成に自信があるか分かるでしょう」

 同社はグッズの企画生産を手掛けているがメーカーではない「物を創る人材を創る『人材育成企業』」だという。同社の人材育成は採用時に、企業理念や採用ポリシーを理解させ共感してもらうところからスタートしている。そこには1日でも早く仲間になってほしいという願いが込められている。社名の「アイ」は「愛」を意味する。目指しているのは愛ある人材企業だ。

サプライズでオンライン上で学生に内定を出した瞬間の画像

成長を遂げた社員たちと新たなビジョンに挑む

 「社員がアイグッズを選択したことが正解だったと思ってもらえるようにする。これは私の義務です。そのために命懸けで社員を育て上げます」。

 そう語る三木氏だが、全社員とマンツーマンで取り組むのは無理がある。そこで、社員が自発的に育つようにと考え抜かれた仕組みが、同社の育成の肝になる。

 その一つが経営方針発表会。一般的には年1回.1日というところが多いが、同社は1年に3回、全社員参加の2泊3日の合宿で行う。経営トップからの経営方針などの説明だけではなく、その方針を具現化させる施策を考察するプロジェクトが設けられ、社員が参画し知恵を絞る。この合宿を通して、今後の事業戦略を「自分事」にする。

 もう一つ、オリジナルな仕組みとして、「人事成長制度」がある。一般的な人事評価制度は、企業側が決めた基準で評価するが、三木氏曰く、「それは評価のための評価にすぎない」。

 それでは社員は成長しないと考え出されたのが、自分が将来なりたい姿を目標に掲げて、日々のアクションをその目標に落とし込んでいくことで、自身の成長を実感できるという仕組みである。

 また、入社2年目の人材の成長を促すための仕組みが「エルター制度」だ。一般的にはエルダーとメンターの2人以上に分かれる役割を、2年目の社員が1人で両方とも担う。業務のみならず、その人の人生に本気で向き合い、共に成長していきたいという願いから設けられた。

 三木氏は、自慢の育成で成長を遂げた社員たちと挑みたいビジョンがある。

 1つ目は、同社が日本国内におけるオリジナルグッズ販売事業のプラットフォーマーとなること。アイグッズは海外生産に限定しているものの、国内生産を希望する顧客も存在する。

 また得意とするグッズのジャンルも企業により異なる。そこで、ウェブ上にオリジナルグッズの需要者と生産者をマッチングさせるプラットフォームを立ち上げ、その運営者となる。顧客ニーズに対して全方位で応えていくという構想だ。

 2つ目がメーカー型事業の拡大だ。自社ブランドとして展開した感染症予防対策グッズで得た商品開発や物流の知見を生かし、自社商品の展開を広げていく。感染症予防対策グッズのように、有事の際のお助けグッズを中心としたメーカーとしての地位を確立したいと考えている。

 3つ目が主力事業であるオリジナルグッズ企画生産の拡充だ。顧客層を新しい業種に広げるという構想のほか、海外生産拠点の拡大を考えている。

 「現在アセアン圏内での自社工場建設のために動いています。昨年はベトナムで将来の幹部候補と期待する人材を採用しました。説明会から現地で行いましたが、採用ポリシーは日本と同一。そして最終選考は日本でのスッポンポンプレゼンです」

 海外拠点の幹部は、日本から出向させるか、現地で日本語に通じた人材を中途採用するかであるが、三木氏はここでも育成にこだわる。

 「日本語はほぼ話せなくても、日本での採用と同様に、全社員が共に成長していきたいと思える人材を育成していきます。日本語は後から学べばいいのです」と徹底している。

 「未来を創る人を創るために、全人生を懸けて挑み続けます」。三木氏は楽しそうに笑った。

会社概要
設立 2016年1月
資本金 3,000万円
売上高 25億円
所在地 東京都港区
従業員数 30人
事業内容 フルオーダーメイドのオリジナルグッズのデザイン・製造・販売および輸出入
https://www.i-goods.co.jp/