文化・ライフ

大手メガネチェーンで取り扱いが多いのは「球面レンズ」と「薄型レンズ」

 

 スマートフォンの普及によって、若者だけでなく中高年でも四六時中画面を見続ける人が増え、視力の低下が深刻な問題になっています。そこで今回は、メガネのレンズについてアドバイスします。活気づくメガネチェーンの台頭によって均一価格購入となってしまい、レンズのことをないがしろにしていないでしょうか。

 最近では、特に電車の中で、ほとんどの人がスマートフォンで何かをしている光景を日常的に見かけます。小さな画面でニュースを見たり、ゲームをしたりすると、近い物を見るときに使う「毛様体筋(もうようたいきん)」という目の筋肉が酷使されます。これが、近視になる原因の1つです。

 昔は、本を読みすぎたり、テレビを画面の近くで見たりすることによって目が悪くなると言われましたが、現在ではスマホが原因の近視が増えている可能性が高いと思われます。

 そこで、メガネかコンタクトレンズの出番となるわけですが、コンタクトレンズは装着時に違和感があるため、受け付けないという人も多くいます。一方、メガネの場合、「Zoff」などの大手チェーン店の均一価格で作ると、「球面レンズ」もしくは「薄型レンズ」と称して、片面だけ非球面のレンズが付いている商品が多々見られます。筆者が問題だと感じるのはこの部分です。

 

「球面レンズ」の問題点

 

 下の画像を見ていただければ一目瞭然ですが、「球面レンズ」は歪み、ひずみがひどいレベルです。中心部は歪みが少ないのですが、レンズの淵にどうしても歪みが出てしまうのです。

 そこで、筆者は10年ほど前から、レンズの両面が非球面加工された、「両面非球面レンズ」を装着しています。両面加工だと、レンズの淵もほとんど歪まずに見えて、非常に快適に過ごせます。メーカーとしては、セイコー、ニコン、東海光学などが発売しています。

 

片側だけ非球面の「球面レンズ」と「両面非球面レンズ」の違い(筆者撮影)

 

「両面非球面レンズ」の販売状況は?

 

 「両面非球面レンズ」は、眼鏡市場やJINSなど、新興メガネチェーンでは残念ながら扱っていません。

 チェーン店で「超薄型レンズ」と呼ばれている商品は、どうしても淵の歪みが生じてしまうのです。均一価格で、ターゲットが若者だからかと思われますが、若者だからこそレンズの全面に歪みがない、目に優しいレンズを着けてもらいたいと筆者は感じます。薄さにとらわれずに、歪みという観点を取り入れたほうが、体には優しくなるのです。

 ただ、そんな中でも両面非球面レンズを取り扱う大手チェーンはいくつか存在します。筆者が調べた下記の扱い表を参考にしてください。

※両面非球面のレンズのみ(税抜き近視用、2018年9月筆者ヒヤリングによる)

・眼鏡市場:取り扱いなし

・JINS:取り扱いなし

・ZOFF:取り扱いなし

・パリミキ:2万4074円(東海光学)、3万1481円(セイコー)

・メガネスーパー:2万8千円~(ニコン、セイコー同価格)

・メガネの愛眼:2万3760円~(セイコー、ニコン、東海光学3メーカーとも同一価格)

 

「両面非球面レンズ」を装着している人はどれくらいいるか

 

 価格が高いのと、店舗在庫が少ないことがあり、取り寄せとなってしまう為に、実際に両面非球面レンズを装着している人の比率は高くありません。筆者が実際に渋谷パリミキ店長に聞いたところ20人に1人程度だということです。

 下の写真は、上がセイコー製レンズで、下が東海光学製となっていて、販売文句もコンセプトも微妙に異なっています。

(パリミキ渋谷店にて筆者撮影)

 

 セイコーは「よりクリアで視界が広く快適な装着感とスタイリッシュな美観を追求したレンズ」、東海光学は、「よりクリアで視界の広いタイプと薄さを追求したタイプ」となっています。筆者としては、薄さよりも屈折率の高さで歪みが少なくなる点を強調したほうが、顧客により分かり易いと感じています。

 この先もスマホ時代が続くことによって、近視の人が増えてメガネ需要が大きくなると予想されます。若者や働き盛りの中高年の人たちには、老眼が来る前に、少々価格が高くても歪みのない両面非球面レンズを着けていただき、快適な視界で勉強や仕事に励んでいただきたいと思います。

※本連載の過去記事はこちらから

++++++++++++

山本康博(やまもと・やすひろ):ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役、ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、JT、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本製作。1年以上継続した商品を計算すると打率3割3分、マーケティング実績30年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や連載寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、英語著書『Stick Out~a ninja marketer~』(BVC)など。

関連記事

好評連載

二宮清純のスポーツインサイドアウト

一覧へ

米山公啓の現代医療の真相

一覧へ

見落としやすい薬の副作用

[連載] 現代医療の真相(第19回)

現代医療の真相

[連載] 現代医療の真相(第18回)

肺炎球菌ワクチンから見えるワクチン後進国日本

[連載] 現代医療の真相(第17回)

認知症・徘徊老人を受け入れる街づくり

[連載] 現代医療の真相(第16回)

サプリメント・ブームにもの申す

[連載] 現代医療の真相(第15回)

インフルエンザ予防接種は受けるべきか

吉田たかよしのビジネス脳の作り方

一覧へ

ネット検索の集中力は「独り言」で高まる!

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第20回)

ビジネス脳の作り方

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第18回)

人材育成のコツ ~部下の才能を褒めるとダメ人材に育つ~

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第17回)

株取引の損得は男性ホルモン量で決まる?

[連載]吉田たかよしのビジネス脳の作り方(第16回)

アルツハイマー病は脳の糖尿病!?

ビジネストレンド新着記事

注目企業

一覧へ

次世代の医療現場を支える病院経営の効率化を推進――保木潤一(ホギメディカル社長)

1964年にメッキンバッグを販売して以来、医療用不織布などの、医療現場の安全性を向上する製品の普及を担ってきた。国は医療費を抑える診断群分類別包括評価(DPC制度)の導入や、効率的な医療を行うため病院のさらなる機能分化を実施する方針を掲げており、病院経営も難しい時代に入っている。ホギメディカルは手術室の改善か…

刺激を浴びて徹底的に考え抜くことで自らを変革する―― 鎌田英治 グロービス 知命社中代表

ワンストップで手厚くサイトの売却をサポートするサイトマ――中島優太(エベレディア社長)

新社長登場

一覧へ

地域に根差した証券会社が迎えた創業100周年―藍澤卓弥(アイザワ証券社長)

中堅証券会社のアイザワ証券は今年7月、創業100周年を迎えた。この記念すべき年に父からバトンを受け継ぎ新社長となったのが、創業者のひ孫にあたる藍澤卓弥氏。地域密着を旗印に掲げてここまで成長してきたアイザワ証券だが、変化の激しい時代に、藍澤社長は何を引き継ぎ、何を変えていくのか。聞き手=関 慎夫 Photo:西…

メディカル事業を横串にすることでシナジーを発揮し、顧客満足度向上へ 伏見有貴(リゾートトラスト社長)

新事業の芽を伸ばすことでさらに大きな個性的な会社を目指す――日髙祥博(ヤマハ発動機社長)

イノベーターズ

一覧へ

日本人の英語学習の課題解決に向け、学習者目線のアプリを開発―― 山口隼也(ポリグロッツ社長)

グローバル化が進む中、多くのビジネスパーソンにとって英語力の向上は大きな関心事の1つ。日本人が相変わらず英語を苦手とする理由と解決策について、英語学習アプリで展開するポリグロッツの山口隼也社長を取材すると共に、同社が提供するサービスについても聞いた。(取材・文=吉田浩)日本でますます高まる英語学習熱  201…

老舗コニャックメゾンがブランド強化で日本市場を深耕――Remy Cointreau Japan代表取締役 宮﨑俊治

リグナ社長 小澤良介 家具のEC販売から様々な展開へ

大学の挑戦

一覧へ

専門分野に特化した“差別化戦略”で新設大学ながら知名度・ブランド力向上を実現――了徳寺大学・了徳寺健二理事長・学長

2000年設立で、了徳寺大学が母体のグループ法人。医療法人社団了徳寺会をグループ内に持つ。大学名の「了」は悟る、了解する、「徳」は精神の修養により、その身に得た優れた品性、人格を指す。「了徳寺」は人間としての品性、道を論す館の意味を込めた大学名だ。 聞き手=本誌/榎本正義 、写真/佐々木 伸教育部…

大学の挑戦

創立100周年、西南学院大学・K.J.シャフナー学長「世界に貢献しインパクトを与える人材を育てる」〜国際交流・就職支援・インターネット出願〜 

「“STAND BY YOU”のスローガンの下、学生一人ひとりに寄り添う教育を」――中央学院大学・佐藤英明学長

経済界からのお知らせ

最新号のご案内

経済界2018年12月号
[特集]
平成 ランキングで振り返る“時代”の経営者

  • ・バブル破裂で顔ぶれ一新 平成人気経営者の系譜
  • ・次の時代を創るリーダーとは?

[Special Interview]

 榊原定征(2025日本万国博覧会誘致委員会会長)

 「誘致決定まで1カ月 大阪万博を日本経済の起爆剤に」

[NEWS REPORT]

◆コンビニ軽減税率適用で激化する「外食VS中食」の戦い

◆「液晶のシャープ」が有機ELスマホを発売 初の国産パネルで攻勢をかける

◆「世界一高い」と認定された日本の携帯料金のこれから

◆チャネル政策を見直すトヨタ自動車の危機感

[特集2]

 北海道・新時代の幕開け

ページ上部へ戻る