1都4県でレンタカー事業を展開する。レンタカー需要の構成は、ビジネスユースとして法人契約の割合が多い。法人需要は季節変動が少ないため安定しており、業界平均の稼働率が50%といわれる中で、平均75%の高稼働率。強固なビジネスモデルで成長を続けている。
日進レンタカーは、創業者の富田純明会長が1969年に設立し、きめ細かなサービスと高稼働率で業界トップクラスの低料金を実現。
現社長の純正氏は2代目としてバトンを引き継いで9年目。毎年着々と業容を拡大してきた。
「当社の接客にはマニュアルがありません。一人一人の社会性や考え方の基本を事前にきちんと教育していれば、日常は、その人が状況に応じて最善を尽くすことが最高のおもてなしになるからです」と富田社長。社員教育の一例に挙げたのが、毎年秋に費用を会社負担で実施している海外研修。2017年はロンドン、16年ブタペスト、15年アテネ、14年バルセロナといった具合だ。
「毎年テーマを決めて出掛けています。ロンドンはEU離脱でどう変わったかとか、ブタペストは予想外に難民も見かけず、治安が良かったし、アテネでは店舗もレストランも賑わっていて経済不安は感じられませんし、バルセロナ市民は、カタルーニャの独立を報道以上に望んでいるようでした。そうした現地事情は、行ってみないと分からない。現地でレンタカーを借りて史跡などを廻り、見聞を広めることで、接客の際の自信にもつながるはずです」
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稼働率の高さと低料金を実現するさまざまな取り組み
同社は一度購入した車両を、原則、売却しない。中古車市場に車が流れないため、メーカー系列のレンタカー会社より安く仕入れることができている。
「安全・安心・快適が当社のテーマ。全車両6千台を自社の整備工場で整備・点検・車検・鈑金・塗装しています。これが稼働率の高さと低料金にも関係し、しっかり整備された車両は利用者の安全・安心につながっているのです」
顧客の安心を考え、全車両が東京海上日動か三井住友海上の保険に加入。カーナビやラジオの調整はもとより、荷物があればお手伝いし、雨が降っていれば傘を差し掛ける、といった“おもてなし精神”で対応。これが富田社長の言う“快適”だ。
「お客さまに喜んでいただく結果が社員の給料につながるのだから、お客さまの感謝の言葉は給料明細に同封し、全社員で共有。これが社員のモチベーションアップになり、さらにお客さまのことを大切に考えるようになっています。誠心誠意お客さまと向き合い、それがおもてなしの向上につながると思っています」
笑顔の中にも真剣な眼差しが印象的な富田社長だ。
日進レンタカー株式会社
- 設立/1969年8月
- 資本金/2億9000万円
- 売上高/31億円
- 従業員数/160人
- 事業内容/自動車の賃貸借、売買および整備修理業
- 所在地/東京都目黒区
- 会社ホームページ/http://www.21rentacar.com/
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