世界経済に大きな打撃を与えた新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、さまざまな分野で抗ウイルス・抗菌への意識が高まっている。建築関連サービス事業を幅広く手掛けるキャンディルは、これまで構築してきた全国ネットワークを拠点に、新たに強力な抗ウイルス・抗菌効果を持つ「光触媒コーティングサービス」を展開する。
光の力でウイルスや菌を効果的に分解・除去
内装建材や家具の補修から新築住宅・既存住宅のメンテナンス、さらに商業施設やオフィスの内装工事などを手掛けるキャンディルは、光の力で空気を清潔な状態に保ち、健康的な住空間を実現する光触媒コーティングサービス「レコナガード エアリフレッシュ」の提供を開始した。
「新型コロナウイルスの影響で、今後は住宅にも耐震や防火だけでなく抗ウイルス・抗菌性能が必須となります。これに対応するため、当社では今年4月にプロジェクトチームを結成し、全国の拠点で施工体制を整えました。5月のサービス開始以降、受注は順調に増えています」と語るのは林晃生社長。7月にはコーティング剤の研究開発と製造販売元であるナノウェイヴ、ガラードの2社と業務契約を締結。今後の需要増を見込んで独占販売権を取得した。
この「エアリフレッシュ」は、抗ウイルス・抗菌、防カビ・防汚、VOC(揮発性有機化合物)除去、消臭という4つの効果を有する。光触媒技術を活用したサービス自体は、すでに複数の企業から提供されているが、「エアリフレッシュ」は特許取得済みの「アパタイト被覆(ひふく)二酸化チタン」技術により、暗所でも空気中の菌や有機化合物の吸着性能が持続する上、太陽光だけでなく蛍光灯やLED照明でも24時間ウイルスや菌の抑制に効果を発揮するなど、他にない高い品質が特長となっている。
この新たなサービスの普及を後押しするのが、60カ所に及ぶ同社の全国ネットワークだ。各拠点では、これまで独自の作業マニュアルやeラーニング教材、研修カリキュラムによって職人の育成に取り組み、高いクオリティーの施工技術者集団に育て上げてきた。
「修復やメンテナンス業務では、個人の住宅を訪問して作業をするため、技術だけでなく作業員の見た目や話し方まで徹底指導しています」
今や1千人を超えるという技術者たちの仕事ぶりは高く評価され、大手ハウスメーカー各社から絶大な信頼を得ている。新築引き渡し時の補修から、アフター定期点検サービスまで重要な業務の代行を任された結果、住宅メンテナンスの実績は累計150万件を超えている。
「抗ウイルス・抗菌済みで安心な空間を実現するため、新築住宅の引き渡し時や既存住宅の定期メンテナンス、リフォームなどの際にオプションとして提案していきます」
新たなビジネスモデルでウィズ・コロナ時代に対応
この「エアリフレッシュ」は、住宅だけでなく商業施設への導入でも大きな効果を発揮する。今回のコロナ禍では、飲食店や美容院をはじめとする多くの店舗で、抗ウイルス・抗菌対策が喫緊の課題となった。
「顧客への安全性の訴求や抗菌対策に関わるコストの削減、従業員の安全確保や労働環境の改善など、店舗運営において数多くのメリットをもたらします」
施工済みの店舗に対しては「抗ウイルス・抗菌済み空間」であることを明示するポスターやステッカーも用意。店舗側にとっては、ウイルスへの不安を抱える顧客に対する大きな差別化につながりそうだ。
また、同社が販売する「抗ウイルス・抗菌剤CA1100」の販売も好調だ。もともと自社の施工作業時に使用していたものだが、コロナ禍を機に外販に踏み切ったところ、引き合いが急増。さまざまなウイルスや菌に対して第三者機関による効果検証済みで、「中性」で「無刺激物」という高い安全性を背景に、住宅や商業施設、ホテル、学校等に着々と納入実績を重ねている。
また、建築関連サービス事業の拡充にも意欲的に取り組む。オーダー家具を住居内の隙間に応じてミリ単位で発注可能な「mm/style(ミリスタイル)」も注目を集めている。
「中間マージンや手間を極力省くことで、国内工場での生産でも低価格と短納期を実現しました。全国の拠点を活用して組み立てや取り付けサービスにも対応します」
林社長は次なる成長戦略をこう描いている。
「ウィズ・コロナ時代では、多くの業種でビジネスモデルの転換が求められます。人々の生活様式も変化する中で、当社でも人材を適材適所に配置して雇用を確保しながら、抗ウイルス・抗菌という社会貢献度の高い事業を拡大していきたい」
海外展開も視野に入れながら「時価総額1千億円」という高い目標の実現に向けて意欲を見せる。
会社概要 設立 2014年8月 資本金 5億135万円 (2020年3月31日) 売上高 約131億円(2019年9月期) 所在地 東京都新宿区 従業員数 連結約1,450人 事業内容 建築サービス関連事業(リペア、住環境向け、商環境向け、商材販売等) 上場市場 東証一部(1446) https://www.candeal.co.jp |
【AD】