新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける物流業界の中にあって、独自のサービスで着実に成長を続けているカーレントサービス。同社にはコロナ禍を乗り越え、さらに飛躍を遂げるための成長戦略がある。
新型コロナウイルスは物流業界にも深刻な影響を及ぼし、多くの事業者が大きな打撃を被っているのが実情だ。
その中にあっても、カーレントサービスは着実に売り上げを伸ばし続けている。業界の中でも稀有な存在となり得た要因は、物を運ぶだけでなく運送の周辺領域もカバーすることで、物流に関するサービスすべてをワンストップで提供する同社オンリーワンの『オーダーメイドロジスティクス』にある。
機械の解体、梱包、組み立て、設置などにも対応するこのサービスは、コロナ禍で他社との大きな差別化要因となり、受注数は右肩上がりに増加している。
物流のニッチ分野を手掛ける企業をM&Aでグループに取り入れ、シナジーを生む戦略も順調だ。
「2020年は、流通加工を専門とする企業や10トンクラスの橋梁建設機材の運送を得意とする企業、さらに特殊な低床トレーラー運送を手掛ける企業と3件のM&Aを成立させました。いずれもそれぞれの分野で実績を十分に積んだ優良企業です。この3件のM&Aによりグループ全体で軽自動車からトレーラー規模の大きさの製品まで運ぶことが可能となります」
21年1月時点で、国内10拠点、社員数250人、保有車両213台の規模へと拡大を果たし、21年3月期には19年の約2倍となる売り上げ50億円が確実視される。20年11月には台湾企業と合弁でシンガポールに海外拠点を設立。当面はシンガポールに関係する日系企業をターゲットに、主に日本と台湾企業の物流のハブにしていく構想がある。
コロナ禍においても飛躍するための下準備は整った。21年は、より一層社内の体制に目を向けて人材育成に力を注ぐという。
「グループの急拡大によって、人材育成のバランスが整っていなかったところに手を着けます。属人的な部分が残っていた人事考課をグループ全体で改善し、評価項目をクリアにしながら従業員のモチベーションを高めていきます」
M&Aによる効果的な事業拡大と、キメ細かな人材育成により盤石の『オーダーメイドロジスティクス』は進化し続けていく。
会社概要 設立 1972年5月 資本金 2,700万円 所在地 東京都大田区 従業員数 250人(グループ合計) 事業内容 総合物流サービス、重量物・精密機械の組立・搬出入・据付、設備の施工・工事、廃棄処理サービス、国際物流支援サービス http://www.current-service.co.jp/ |
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