AIを駆使した不動産流通プラットフォームの提供をはじめ、総合不動産業として躍進を続けるBEARS。デザインとコーディネートに優れた物件リノベーションにも定評があり、経営者や著名人の顧客も多い。求める人材は、失敗を恐れずチャレンジできる若手だ。(雑誌『経済界』2024年9月号「総力特集 人材育成企業2024」より)
都心の高級物件の紹介で顧客の豊かな人生をサポート
今年1月に東京・丸の内にある明治安田生命ビルに移転した同社。大きな窓から皇居を見渡すオフィスには、洗練された高級インテリア家具が配され、バーカウンターも設置されている。
「住空間の意義は思っている以上に大きい。住空間が人格を作っていくといっても過言ではないので、社員には素晴らしい空間、心地いい空間で働いてほしいのです」と宅間理了代表取締役CEOは話す。
同社は「日本の中心・東京都心の不動産の価値を上げることで、日本全体の価値を上げていく」という理念の下、高級物件の売買・新築・リノベーションなどを手掛けている。
「古いものを壊して、新しいものをどんどん作ることがよいとは思っていません。長年大切に使われてきたものにしか出せない価値にも気づいてほしい。われわれは古き良きものを学びながら、新しい感性を磨き、伝統的な手法に新しい価値観をプラスしたインテリアを重視しています。お金を出せば誰でも買えるというものではなく、選ぶ側の経験や選んだもののストーリーを大切にして、住空間を作っていくことに弊社の強みがあります」
一方、新規のデジタルプラットフォーム事業にも力を入れている。大量の不動産データとAIによる分析で、投資家・購入者と物件とのマッチングを行う投資用不動産流通プラットフォームの運営で、投資用不動産の価値を可視化することを目指している。
「不動産の透明性を高めるために、AIやテクノロジーを生かし、不動産取引・流通を円滑にしていくことが、業界に携わる人々や顧客を幸せにすることだと考えています。エンジニアの採用も積極的に行っています」
若手の新しい視点と吸収力。チャレンジ精神を尊重
同社では新卒をはじめ、若手を中心に採用しているが、その理由は凝り固まっていない新しい視点や吸収力を期待しているからだ。
「どれだけ水を注いでも、コップが上を向いていない限り、中には1滴も水はたまりません。ですから社員にはコップを上向ける作業だけ自分たちでやってくれれば、そこに私は水を延々と注ぎ続けると伝えています。年齢とともに自分の経験の延長線上でしか考えられず、コップが上を向かなくなりがちなので、若手に期待しているのです」
宅間CEOは、社員の意見やアイデアを尊重し、やりたいということに対してノーと言うことはほとんどないという。
「自分もたくさんの失敗をして成長してきたので、失敗を恐れずにチャレンジしてほしい。新規事業を打ち出すなど、私にはないものさしを持った人材を歓迎しています」
高級物件を扱っている同社では、入社したばかりの社員がいきなり1億円以上の物件の取引を担当することも珍しくない。やりがいを持って働くことができ、営業職はインセンティブが付くため、高収入も期待できる。
「不動産事業の経験も大事ですが、顧客の人生を豊かにするためのお手伝いをする一員として、丁寧に生きること、暮らすことに興味がある人は、弊社の事業に共感を持ってもらいやすいと思います」
顧客は経営者や著名人であることも珍しくなく、普段会えないような人と不動産取引を通じて会えるのも魅力だ。
「富裕層は普通の生活をしている人が知ることができないレベルの高度なリクエストをされます。例えば、バッグが奇麗に見えるクローゼットを作ってほしい、でも光が当たるとバッグが劣化するので考慮してほしい、といったリクエストです。そんなリクエストに応えていくうちに、自分の経験値や知識も高まり、成長していけるのです」
今後は社員を倍増し、さらなる成長を目指す
設立から10周年を迎え、7期連続で増収・増益を続けてきた同社。今後は社員の人数を倍にする予定で、採用にますます力を入れていくつもりだ。
「やりたい方向がはっきりしている方が力を発揮しやすい職場です。会社は集団とはいえ、一人一人が集団を形成していくので、それぞれがハッピーでないと全体像もそうなっていかない。打ちのめされても、内からエネルギーが湧いてくるような明るい方に入社していただきたいですね」
また、これからの時代は世界と渡り合っていくためにインターナショナルな感覚を持っていることも大事だと考えている宅間CEO。
理念に共鳴し、困難を一緒に乗り越えていける人材と、会社を大きく成長させていくことが、不動産業界と日本の価値を変えていくことにつながると信じている。
会社概要 設立 2014年3月 資本金 1億円 本社 東京都千代田区 従業員数 35人 事業内容 デジタルプラットフォーム事業、不動産投資事業、不動産鑑定事業、インテリアデザイン事業 https://bearsinc.co.jp/ |